大山さんとカトープレジャーグループ（以下KPG）との出会いは約20年前。友人が持ってきてくれたパート募集のチラシでした。「ほかのパートより時給が50円高かったので応募したんですよ。面接に行くと、とても丁寧に応対してくださって、建物も迎賓館のようにすてきで、ワクワクしました」。入社後は、子ども２人を自転車に乗せて保育園に預けてから出勤する毎日。「短時間の勤務で業務を終わらせるために、徹底的に効率化をはかっていました。すると正社員にお誘いいただき、気づいたら次々に役職をいただいて。2016年に取締役人事統括本部長になりました」。

しかし、その直後は気負いすぎたのか、「現場を知らないのに、なんで取締役や」と思い込んで悩んでしまったことも。女性初の取締役だったこともあり、「『女性は主観的になりやすい』などといわれるのではないかと勝手に想像して、さまざまな葛藤がありました」。そんな時に支えてくれたのが、上司や信頼できるチーム。今では、「女性だからこそ見えることやいえる意見がある」と思えるようになったといいます。「尊重しあえる仲間と会社が私を成長させてくれたと思います。そしてチームみんながそれぞれ強みを活かし助け合っているので、仕事がとても楽しいんです」と満面の笑みで話す大山さん。

KPGで働く仲間を支える人事チームを率いる大山さんには、２つの大きな意図があります。ひとつは女性リーダーを増やすこと。「管理職になる人を増やすだけでなく、やりたいことを貫いて生き生きと輝く女性を増やしたいと考えています」。もうひとつは求人費を限りなくゼロに近づけること。「楽しい職場であれば、お金をかけなくても自然と人は集まってきます。店舗やオフィスを楽しく働ける快適な空間にすることで、そこで働き、成長できる自分を好きになれる。そして、その成長をみんなで喜び合える」。そんな会社を創ります。